2024年11月8日、厚生労働省は、パートタイムで働く人たちが厚生年金に加入する際の「106万円の壁」を撤廃する方針を固めました。
これにより、週20時間以上働くパートタイム労働者は、年収に関係なく厚生年金に加入することになります。
目次
「106万円の壁」とは？
これまで、パートタイムで働く人が厚生年金に加入するためには、以下の条件を満たす必要がありました。
- 週に20時間以上働くこと
- 月の給料が8万8,000円以上（年収にすると約106万円以上）
- 2か月以上働く見込みがあること
- 働いている会社の従業員数が51人以上
- 学生でないこと
これらの条件を満たすと、パートタイム労働者も厚生年金に加入し、社会保険料を支払う必要がありました。
そのため、年収が106万円を超えると手取り収入が減ることから、「106万円の壁」と呼ばれていました。
改正の背景と目的
最近、最低賃金が上がり、週20時間以上働くと年収106万円を超える地域が増えています。
そのため、厚生労働省は、パートタイム労働者の老後の生活を安定させるために、年収の条件をなくすことを決めました。
改正による影響
年収の条件がなくなることで、週20時間以上働くパートタイム労働者は、年収に関係なく厚生年金に加入することになります。
これにより、将来もらえる年金が増える一方で、今の手取り収入は社会保険料の負担が増えるため、少し減る可能性があります。
今後の展望
厚生労働省は、2025年の国会にこの改正案を提出する予定です。
この改正により、新たに約200万人のパートタイム労働者が厚生年金に加入する見込みです。
一方で、手取り収入の減少を心配する声もあり、今後の議論が注目されます。
まとめ
「106万円の壁」の撤廃は、パートタイム労働者の将来の生活を安定させるための重要な一歩です。
しかし、今の収入に影響が出る可能性もあるため、自分の働き方や将来の計画をしっかり考えることが大切です。
